猫なんて飼うもんか!

猫アレルギー

「サヨナラ」シテモ人生ダ

ハイワットホールの店長「J.F.KAZMA」の葬儀が終わった。

 


身近な人間との死別ほど、落ち着いてから実感するものだとはよく聞くけれど

日も浅い今はよく分からないのが正直なところ。

 


ただ言葉の意味はよく分かる。

 


それが家族ならば、ただいまの声。

 


それが恋人ならば寝る前のおやすみと広く感じるベッド。

 


毎日洗っていたお弁当箱。

脱ぎっぱなしの服。

いびきをかく声。

 


疎ましいと思っていたことでさえもそれが故人の存在を示すものだったりするわけで。

 


そう考えたら、平時に戻って行けば行くほどその喪失感を感じる機会が増えていくんだな。

 

 

 

それが俺とかずまの場合どんなことだろう。

 


かずまとは並びあっているようで並びあっていなかったし

向かい合っているようで向かい合っていなかった気がする。

 


一体どんな関係だったんだろうと考えると

肩書きの上ではライブハウスの店長と代表。

 


同じ高校の後輩と先輩。

 


バンド仲間。

 

 

 

繋がりを考えたらキリが無いほどたくさん出て来るけれど

それだけに収まらないのが人間関係の深さってもんで。

 

 

 

かずまとたくさん話をした。

 


2人にしか分からない面白いワードやネタがある。

 


それも無数にある。

 


かずまは記憶力が良いから、何年も前に2人で体験した面白いエピソードやその中のパワーワードをいつまでも覚えてる。

 


だからたまにそのワードを発するとふいを突かれて笑う。

 

それは2人だけの面白いヤツだったし勿論、文章に起こして紹介出来るような滑稽さでも無い。

 

それに真剣な話も同じぐらいした。

 

俺は哲学的な話が好きで、答えが出ない事柄に延々と頭を巡らすのが大好きだ。

 

かずまは聞いている方が多かったけど、聞き上手だからいくらでも喋ってしまえた。

 

かずまも好きだったと思っていたけれど、もしかしたら聞き流し上手なだけだったかもしれない。

 

どうだったんだろう。

 

今はもう分からないけど。

 


そんなやり取りをお互いしつこいくらいにしてたから

その機会がもう無いんだと考えると、それはものすごい喪失感だ。

 


ここが実感するところの一つで一番大きな部分かもしれない。

 

 

かずまはお笑いが好きで頭の回転が早いから

会話術に長けている。

 


その上で社交において最重要な「人への気遣い」も見事に出来る男だ。

 


このバランスの良さがかずまの魅力だと、出会って早い段階で気付いた。

 

 

 

 


かずまは気遣いが出来る男で、気を遣い過ぎるところもあった。

 


俺も同じだった。

 


だから俺のことは最後まで名字に「さん」付けだった。

 


でも俺はSHIN50 MARTINと言うステージネームだし

ライブハウスで出会う人のほとんどは俺のことを「しんご」とか「マーティン」としか呼ばないから

話の中で相手に俺の名字が伝わらずに何回も言い直してる光景を見た。

 

 

 

同じハイワットホールの海くんとはまた違った関係だった気がする。

 


俺より歳上の海くんには何故か俺よりフランクに接していた気がするし

俺も決してそれが嫌なわけでもなかったけど、その理由はよく分からないし

人が違えば接し方も1人ずつ変わって来るのが当たり前かとも思った。

 


かずまとは男らしい付き合いをしたことが殆ど無い。

 


一緒に風呂入ったりとか、下品な下ネタでゲラゲラ笑ったりだとか

男の子によくあるようなそんな楽しみはまぁ無かった気がする。

 


俺がそういうことに誘わないからかずまも自分からそうはしてこなかったのかもしれない。

 


気遣いヤーだから。

 


もしかするとかずまも自分の同級生とはそういう男の子らしい関係だったのかな。

 


聞いたことないから分からないけど。

 

 

 

俺も気遣う方だし、かずまも気遣いヤーだから、お互いに踏み込みすぎたことをしたり言ったりした記憶は無いし

人間誰にだって踏み込まれたくないこともあるから

それはそれでちょうど良いバランスだったのかもしれない。

 


親友とも先輩後輩とも仲間とも言えないこの関係は言葉ではなんとも形容し難い。

 


まぁカテゴライズ出来ることばかりじゃないから

無理にそうはせず、こんな感じで良かったのかもしれない。

 

 

 

それでもお別れの言葉は俺が読むことになった。

喪主であるお母さんに直接お願いされたので、それは謹んで読ませていただいた。

 


式では友人代表と紹介されたけれど、前述の通り友人代表と言われるには形容し難い間柄だと自分の中では思っていた。

 


それでもお母さんが自分を名指ししてくれたのは素直に嬉しかった。

 

 

 

参列した方たちもそれぞれがかずまとの関係性に違いがあって

出会いの場もエピソードも各々違う。

 

 

 

もしかしたら数回話した記憶があるだけの人や

人に話すほどのエピソードも持ち合わせて無いけど…なんて思いながら参列した人も居たかもしれない。

 


ただそれは他者に関係性を示すためだけのものであって

偉そうに人間関係を語らせてもらえるならば、思い出は数じゃないし積み上げていくものばかりじゃない。

 


だからみんなの記憶にかずまが居るかどうかについて

過ごした時間の多さはあまり関係が無いと思う。

 


だから数回の出会いでも親友のように仲良かった人を俺は知ってるし

そんな多様な人たちの代表としてお別れの言葉を述べるのは相当に難しかった。

 

 

 

そんなことを考えていたら途端に自信が無くなったから

方向性を変えてみんなを泣かすことにした。

 


かずまも俺も、お互いステージに立つ人間だったし

多分それを望んでくれるだろうと思ったから出来るか分からないけれど、やってのけようと思った。

 


俺がかずまに向けた言葉の後ろで皆が泣いてくれるのを

かずまは一番良い席で見られるんだから、それはなかなか良いシチュエーションだった。

 

 

 

結果的に俺も泣いたけど。

 


かずまは多分俺が泣いた瞬間に大笑いしていたかもしれない。

 


まさにお経を上げてくれたお坊さんが説いてくれた通りの最後だった。

 

 

 

 

 

 

人間関係の話に戻る。

ライブの打ち上げではお馴染みの「大衆酒場タスク」が出来た5年くらい前から

かずまは俺の仲良い同級生数人とも仲良くなってよくお酒を飲むようになった。

 

 

 

前述の通り俺もかずまも気遣いヤーだったけど

俺の同級生は無神経でバカ正直な人間ばかりだから

知り合ったばかりのかずまの心に土足でガシガシ上がって行った。

 


かずまも悪くない感じだったし、いつも笑ってた。

 


数年前にかずまが女の子とタスクへ行ったことがあった。

 


タスクの店長も俺と同級生で、勿論俺たちも行きつけの店だから週末に自然と集まる。

 

 

 

案の定、店長から密告が入り何の躊躇もなく踏み込んでいく同級生たち。

 


次から次へと席に上がり込み冷やかしていく中で、最後に同級生の奥さんが来て

静止してくれるものだと思って安心したところで、その奥さんも席に座って話し込んでくというなんとも無神経なエピソードを

かずまは何度も、笑いながら繰り返し話していたことを思い出す。

 


その奥さんも勿論俺の同級生だ。

 


その子とかずまは初デートでその後は上手くいかなかったというオチも含めてあの日はコントみたいな夜だったな。

 


なんて無神経な人間たちばかり同じ年に生まれたんだろう。

 


結局席から全員引き剥がしたのは俺で、かずまと俺の関係を如実に示している。

 


その分かずまと俺が2人で居る時には埋まらなかった部分を埋めてくれているような気がして、同級生達には心の底から感謝している。

 


葬式もみんな来てくれて、泣いてたな。

 

 

 

そんなことばかりあったもんだから

「かずまと俺」のエピソードを思い出す時、常に周りにたくさんの人間が居た気がする。

 


ハイワットホールのメンバー。

バンドマン達。

他にもたくさん。

 


かずまが良い奴で信頼出来るからこそ、俺の友人知人に気兼ねなく紹介出来たし

かずまが自分の友達を俺に紹介してくれたのも、きっと同じ気持ちだったのかなーと思いたい。

 

 

 

人間ってのは誰しも信頼出来る人間が居て

信頼出来る人間が紹介してくれた人間とは仲良くなりやすいもの。

 


そんな輪が広がりに広がって、600人以上の人が参列してくれたんだと思うと

かずまが生きて来た人生も、夢中で守って来たハイワットホールも

かずま本人にとってちゃんと実りあるものだったという証明で

それはそれは最高な生き方だったな。

 

 

 

かずまが残してくれた思い出も人間関係も含めて全てが財産だ。

 

 

 

そんなかずまとの思い出を頭の中の引き出しから取り出そうと考えていたけど

どうにも上手く出て来ない。

 


人間の記憶能力は本当に厄介だ。

 


不出来なクラウドサービスだ全く。

 

 

 

それでも自分の記憶の中にかずまの家族や友人が知らない事柄があれば

ありったけの言葉で伝えたいと思ったので

この先何度も訪れるであろうその機会に向けて、出来る限りを思い出して書いてくことにした。

 


人に見せる文章は書くのが大変だから

テキストは備忘録として、自分の中だけに置いておこうと思ったんだけど

もしかすると見て懐かしんだりしてくれる人も居るかもしれないから

見れるように書くことにしました。

 

 

 

時系列もすっ飛ばして、文章も校正せずに思いついたまま書いてみます。

 

 

 

久しぶりにmixiを開いた。

 


ビバ・文明の恩恵。

 


昔のスマホも引っ張り出してみた。

 


まだ全然整理出来てないけど、呼び起こされるかもしれない記憶に懸けてゆっくり整理してみる。

 


掃除してる時に卒業アルバム開いちゃってその日のうちに終わらないis俺だから

時間かかるかもしれないけど。

 


頑張ってみます。

 

 

 

 


P.S

そういえば前に一度だけかずまに踏み込み過ぎてしまったことを思い出した。

かずまと、かずまが昔好きだった女の子の前で

かずまが秘めてた昔の恋心をカミングアウトしちゃったな。

 


かずまマジで凹んでたからめっちゃゴメンって謝ったけど

 

 

 

 

 

 

本当はさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1ミリも悪いと思ってなかったんだよな、俺。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ゴメン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一応猫のブログなんで猫の写真を。

 

きなこは今日も元気です。

 

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